こんにちは、システムデザイン開発の神田です。
前回は「LANSAとはなにか?」という概要をご紹介しましたが、今回は実際にLANSAを使ってシステム開発を行ってみて感じた使用感やメリット・デメリットについてまとめたいと思います。
👉 前回の記事はこちら
RPG資産を活かす!老朽化したIBM iシステムをLANSAで蘇らせる方法
LANSAを使ってみた感想
LANSAでの開発は Visual LANSA という専用の開発ツールを使います。
実際に触ってみて最初に感じたのは、開発環境の使いやすさです。特にデバッグやテストがしやすく、RPGⅢやRPGⅣ(ILE、フリーフォーマット)と比べると格段に快適でした。
RPGではコーディング時にインデントや記述ルールが細かく制約されることも多いですが、LANSAにはそうした堅苦しさがなく、さらに5250画面とは違ってGUIで視覚的に開発できる点も大きな魅力だと感じました。

LANSAを使うメリット
LANSAの強みは大きく分けて2つあると思います。
- IBM iとの親和性の高さ
IBM iのデータは文字コード変換やデータ形式の扱いが複雑で、他の環境から活用しようとすると最初にここでつまずきやすいのですが、LANSAなら既存の物理ファイルレイアウトをそのまま取り込み可能です。
つまり、文字コードやデータ型を意識せず、IBM i標準の形式のまま操作できるため、とても開発がスムーズになります。 - ローコード開発による効率化
最近はローコード/ノーコード開発が注目されていますが、LANSAもその流れにマッチしています。
基本的な処理はドラッグ&ドロップや設定で完結し、一部の業務ロジックだけコーディングするイメージ。結果として、従来の開発言語と比べてコード量を大幅に削減できました。
LANSAを使うデメリット
一方で、感じたデメリットもあります。
それは RDML / RDMLX 言語の習得コスト です。
今回私はRDMLXを使いましたが、UI設計はWindowsアプリのようにマウス操作中心で直感的に作れる反面、コード記述は最初かなり苦戦しました。
命令の書き方が分からず、その都度ヘルプを調べながら記述していたので、開発初期はスピードが出ませんでした。
慣れてしまえばそこまで難しくはないのですが、JavaやC#といった一般的なバックエンド言語の知識がほぼ役立たない点は少しもどかしく感じました。

まとめ
前回の記事でも触れましたが、IBM iを取り巻く課題は「5250画面の古いUI」と「RPG技術者の不足」が大きなテーマです。
とはいえ、長年運用を続けてきたシステムには膨大な業務ノウハウや資産が詰まっており、それを捨ててしまうのは非常にもったいないことです。
LANSAを活用すれば、既存のIBM i資産を活かしながらモダナイズし、Web化や効率的な開発を実現できます。
もし「IBM iをどう活用していくか」で悩んでいる方がいらっしゃれば、LANSAによるモダナイゼーションを検討してみてはいかがでしょうか。
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