ストレスチェック

『どうする?!糖尿病』関谷先生が語る企業の対応策

 こんにちは、システムデザイン開発の辻です。
 当社のストレスチェックサービス「こころDo!?」は、ロハスオフィス 関谷先生の産業医サービスと提携しています。
 今回は、お世話になっている関谷先生が、本年3月に開催されたウェビナー「会社における糖尿病」をご紹介します。

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ウェビナー
関谷 剛 の 産業医こぼれ話
会社における糖尿病管理

関谷 剛 (せきや たかし)プロフィール
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1968年生まれ。東京都新宿区出身。東京大学未来ビジョン研究センターライフスタイルデザイン研究ユニット客員准教授。医師、医学博士、労働衛生コンサルタント、産業医、株式会社ロムラボ 会長、合同会社ロハスオフィス 代表社員。

信州大学医学部を卒業後、東京大学附属病院、国立国際医療研究センターに勤務。その後、東京大学大学院医学系研究科アレルギーリウマチ学に入学し、免疫アレルギーを研究。卒業後医学博士を取得。また、東京大学医学部衛生学にて環境医学や免疫学を研究。予防医学、産業衛生学を学び、労働衛生コンサルタント、産業医資格も取得。
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 前回のブログ「高血圧社員を救え!関谷先生が語る企業の対応策」の中でも触れた「死の四重奏」と呼ばれる肥満・高血圧・高血糖・高脂質の内、今回は「高血糖」、いわゆる糖尿病についてのウェビナーをご紹介いたします。

 知ってそうで知らなかった糖尿病。メジャーな病気ゆえに、かえって職場で放置されやすいと思います。会社としてどのような対応が必要かを、このウェビナーで学びましょう。

糖尿病はどうしてヤセてしまうのか?

 現在50代の男性である私にとっては、よく耳にする病名となった糖尿病。
 英語・ドイツ語ではdiabetes mellitus(ダイアビーティス メライタス、ダイアビーティス メリタス)、病院ではDMという略称で、手書きのカルテに書かれることもありますが、海外のYouTubeなどでは「Blood Sugar」と表記されていたりします。正に「血糖」。こちらの方が直球でわかりやすいですね。

 私の父母も、高齢になってから糖尿病を発症し、そのせいで様々な病気を併発するようになりました。食事制限や自己注射治療など、実際目の当たりにすると管理がすごく大変そうだなと感じました。

 また、友人非常にスマートなイケオジがいるのですが、彼もこの病気にかかってしまいました。性格は穏やかで、若い頃からの体型を維持していて、普段何を食べたらこうなるの?と常々思っていたのですが、ある時からその体系維持ができずに激太りしてしまい、、糖尿病になった後はどんどんヤセていってしまったそうです。

 糖尿病は、食べ過ぎるとなってしまう病気というイメージだったので、太るのはわかるのですが、なぜヤセてしまうの?と不思議に思いました。

 今回ご紹介するウェビナーによると、体のエネルギーとなるブドウ糖を、細胞に運ぶインスリンがうまく働かなくなり、そのため、いくら食べても体に栄養がいかなくなり、結果としてヤセてしまう、のだそうです。軽い糖尿病を別名「耐糖能障害」とも呼ぶそうで、こちらの方が病気の内容がよりわかりやすい名前ですね。
 年を取ると何をしても体重が落ちにくくなるので、糖尿病だけどヤセてラッキー!と思いきや、必要な栄養が体に、特に脳に行き渡らなくなることで、突然気を失って倒れたりすることもあるそうです。
 確かに高い所で作業している方や、運転を仕事にしている方が突然気を失って、落下したり、事故を起こして亡くなるというケースを聞いたことがあります。こうなると、会社としてもしっかりと糖尿病の職員を管理する必要がありますね。

糖尿病の3大合併症

 糖尿病は痛みなどの自覚症状がないので、日常生活の中ではそのわずかな不調に気づかないことがほとんどです。

 よく映画で、医師がおしっこを舐めて「甘い!」とつぶやいて絶望的な表情を見せるシーンがありますが、これは昔、糖尿病はガン並みに不治の病だったからです。このブログを読んでもしかして…と思って、勇気を出して自分のおしっこを舐めてみても、初期の段階だと甘くはないそうです。なので、皆さんも心配になっても、おしっこを舐めるのはやめておきましょう!

 関谷先生によると糖尿病の自覚症状は以下の4段階だそうです。
  ①血糖が上がる
  ②のどが渇く( →よく水を飲む )
  ③尿が頻回になる
  ④体がだるい

 また、糖尿病が進むと合併症を引き起こすことがあります。
 この3つは会社として就業制限などの対応が必要とのことです。
  ①網膜症(目の病気)
  ②神経障害
  ③糖尿病性腎障害

 これらに加えて、当然のことながら動脈硬化が起き、脳血管障害や心筋梗塞のリスクが高くなります。

 糖尿病の治療は4段階あり、レベル3のインスリン注射や、レベル4の人工透析は会社として対応が必要なので、糖尿病の職員がどの治療レベルかを把握する必要があります。
  ①生活習慣改善(食べすぎ、飲みすぎ、運動不足解消)
  ②薬(のみぐすり)による治療
  ③インスリン注射
  ④人工透析

 インスリンは飲んでしまうとアミノ酸として腸から吸収してしまうので、注射をするしかないそうです。また、インスリンは注射後すぐに食事する必要があるため、食事時間をしっかり確保できるよう、会社が配慮する必要があります。
 人工透析については、腎障害のところで詳しく説明します。

糖尿病性網膜症の職員に対して

 みなさんの職場で、顔と紙がつきそうなくらいまで書類や本を近づけて読んでいる方はいませんか?私の昔働いていた職場にもそのような方がいて、あとから糖尿病だったと知りました。

 糖尿病が進むと、網膜がはがれて視力が低下し、視野も狭くなり、最悪は失明してしまうそうです。これが糖尿病性網膜症です。このような職員には、会社として大きいモニタを用意したり、目を休めるため、一時間ごとに休憩させせるなどの配慮が必要だそうです。

糖尿病性腎障害の職員に対して

 腎不全は尿が出なくなります。そのために人工透析が必要です。
 人工透析は体中すべての血液を入れ替えて、老廃物を除去する治療法です。
 この治療はとてもたいへんで、週に3回、1回につき4~6時間も拘束されます。
 そのため、以下の就業制限が必要だそうです。
  ①出張禁止×
  ②不規則な労働時間×
  ③残業禁止×
  ④過重労働(重い物を持つなど)禁止×

 何より、人工透析はお金がかかります。ただ、本人負担はありません。一級障害者となるからです。
 関谷先生によると、一人年間800~1000万円(!)もかかります。
 このお金は国や地方自治体ではなく、健康保険組合が負担するため、体力のない健保組合は解散の危機に追い込まれてしまうこともあるそうです。人工透析は、本人も会社も産業医も健保組合もみんながツラくなります。人工透析の原因は糖尿病が1番多いそうで、そうなる前になんとか防ぎましょう。

神経障害+動脈硬化の職員に対して

 糖尿病が進むと手足がしびれる、足の裏の感覚がなくなるそうです。これは動脈硬化で血流が悪くなるからだそうです。足をぶつけて血が出ていても気づかないそうです。怖すぎです。
 でも神経障害では死にません。
 しかし、動脈硬化は死に至ります。なぜ動脈硬化が起きるのか?
  ①糖尿病になる
  ②細胞が栄養をもらえない
  ③血管が傷む

 血管がボロボロのゴム管のように硬くなり、ヒビが入ったように切れやすくなり、血がもれる、つまるなどして、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞を引き起こします。
 この3つはガンに匹敵するほど死因としてあげられる病気です。

糖尿病の検査

 糖尿病の検査はHbA1cで判明します。
 グルコースという検査は、絶食して水をたくさん飲むと下がるそうです。中性脂肪も同様にごまかしが利きます
 腎臓の機能はクレアチニンという検査でわかります。
 尿蛋白や尿糖検査はすごく悪くならないと判明しないそうです。
 HbA1cとクレアチニン検査が健康診断の必須検査ではないので、入ってない場合はオプションで実施することがおすすめだそうです。

 糖尿病は何といっても食べすぎ、飲みすぎが原因です。運動不足もそうですね。
 しかしこれらを改善しようと、日々ガマンを続けてがんばっても、仕事や家庭のストレスが多ければ、あっというまにやる気を失い、元の習慣に戻ってしまいます。
 心の安定こそが糖尿病の予防・克服の一番の処方ではないでしょうか。

ストレスチェックの活用

 ストレスをためない職場を作るためにも、毎年実施されるストレスチェックを活用しましょう。
 結果票をよく読んで、自分にはどのようなストレスがあるかを自覚することが大切です。自身への気づきがないよりも、意識をもって取り組んだ方がより効果的です。

 また、管理者の立場の方であれば、集団分析で部署ごとの状況を把握することができます。
 なんとなくではなく、エビデンスに基づく改善が一番の近道です。

 当社のストレスチェックサービス『こころDo!?』の集団分析では、すべての部署に分析した4ページの帳票をご提供しています。
 おなじみの仕事のストレス判定図以外にも、すべての尺度を対象としたチャート図や、標準偏差表により、各尺度のばらつきを確認して改善方法を変えるなどの特徴を持っています。

 当社では、ストレスチェック総合サービス「こころDo!?」を提供しています。 ストレスチェックに関するご質問やご相談などありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

クラウド型ストレスチェック総合サービス「こころメイト」


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