当社が提供しているクラウド型ストレスチェック総合サービス「こころDo!?」において、2023年1月16日に知的障がい者向けサービス「こころDo!?フレンドリィ」の無償提供を開始しました。
リリースに先立ち、知的障がいについて理解を深めるため、2022年12月6日に札幌市手をつなぐ育成会のみなさまをお招きして、知的障がい理解のためのワークショップを開催いたしました。 今回はそのワークショップの様子をお伝えしたいと思います。
クラウド型ストレスチェック総合サービス「こころDo!?」
札幌市手をつなぐ育成会とは
札幌市手をつなぐ育成会は、昭和34年から60年近く「知的障がいのある方とその家族の幸せ」を願い、みんなが地域で、普通に、「ともに生きる」ことができる社会の実現を目指し活動をしています。
主に、知的障がい者やその保護者とのふれあいや、雇用・福祉サービスの充実に向けた活動、また、障がい者スポーツ大会の共催、トライ青年学級など社会自立促進にも力を入れています。
Youtubeチャンネルもございますので、ご興味がある方はこちらもご覧になってみてください。www.youtube.com/channel/UCZlgjo6ms72Sd9jIku_RNlQ
ワークショップで知的障がい者が実際に感じていることを疑似体験
札幌市手をつなぐ育成会啓発隊「Teami」のみなさんに来ていただきました。
「Teami」は、知的障がいについて理解を深めてもらうために有志で活動をしているみなさんです。
「i」には3つの意味があります。いくせいかい、インクルーシブ、あい(愛)です。

知的障がい者が実際に感じていることについて、5つの疑似体験をしましたので、ご紹介します。
1.かいてみよう
まずは、出されたお題を聞いてそれぞれイメージしたものを紙に書いてみようというゲームです。
最初のお題は「りんご」です。これは簡単にかけました。

次のお題は「ちょっと」を書いてみましょう。

お皿の上にひとつだけお菓子がのっている状態をイメージしました。
私は数量を表しましたが、人によっては時間や間を表す方もいました。
最後のお題は「ちゃんと」です。

私は、正装をしている人をイメージしました。
他にも物が動いている様子やきれいに整頓されている状態を表現されている方もいました。この体験によって、人によって物の感じ方捉え方が異なることを体験することができました。

2.のぞいてみよう
紙を棒状に丸めて片目で覗いて、画面に映るクリオネの数を当てるというゲームをしました。
棒状に丸めた状態で見える数と画面全体で見える数の差で、知的障がいがある状態では、視野が制限されていることを直に体験することができました。

3.やってみよう
軍手をつけてペーパーフラワーを短時間で作れるかやってみました。
軍手をつけた状態では、苦戦してなかなか上手につくれません。
軍手をはずした状態で、作ってみると楽につくることができました。

4.つたえてみよう
「Team i」のイメージキャラクターはクリオネです。クリオネの妖精「クリン」と「ネオ」が遊びにきてくれましたが、「クリン」と「ネオ」は、人間の言葉が話せません。ジェスチャーや言葉の抑揚から何を伝えたいのか感じ取ります。「クリン」と「ネオ」の言葉が伝わって、みんなと仲良くなることができました。

相手の言葉がわからない、伝わらないとさみしい、苦しい、つらい、時には涙がでそうになります。知的障がいがある方が常に感じている不安な心を感じる体験ができました。
知的障がいある方とのコミュニケーションで大切なことは、相手につたえるときは具体的にわかりやすく、ゆっくり、やさしく、みじかく、ひとつずつ、顔を見て、はっきりと話すことを学びました。
5.きいてみよう
私たちは普段の生活で聞きたい音を聞こえるようになっているため、自然と雑音をシャットダウンできています。しかし、聴覚障がいがある方たちは、すべての音がごちゃまぜに聞こえてしまうのです。聴覚過敏で悩む方用のヘッドホン「イヤーマフ」を体験しました。
ヘッドホンをつけている方がすべて音楽などを聴いているわけではなく、外音を遮断するためにヘッドホンをつけて生活している方がいることを知りました。聴覚過敏について、まだまだ認知が足りていないとのことでした。

こころDo!?フレンドリィでできること
このように実際に見ていくと、「労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止する」という目的で実施されているストレスチェックにおいても、知的障がいや発達障がいなど、文章の理解やコミュニケーション能力に課題のある方が受検する際に配慮すべき点がたくさんあることが分かります。
今回当社がリリースした知的障がい者の方へのストレスチェックサービス「こころDo!?フレンドリィ」は、下記のような仕様で作成しており、障がいがある方がより簡易的にインターネットで受検できる環境をご用意しています。
・質問1つに1画面、イラスト付きで質問内容が理解しやすく直感的に回答が可能
・文字サイズは大きくしてより読みやすく
・漢字にはすべてルビを付与
・マウス操作が苦手な方のために、キーボード入力による回答も可能

札幌市手をつなぐ育成会のみなさんにもご協力していただき、テスト受検をしていただきました。
実際に障がいがある方の目線で、見やすさや操作の仕方など、大変貴重なアドバイスをたくさんいただきました。
ご協力ありがとうございました。
まとめ
今回、さまざまな体験を通して、普段の生活では意識していない日常の気づきを得ることができました。そして、他と違うことを差別するのではなく、ひとりひとりがオンリーワンの素敵な個性を持っていることを尊重しあう社会作りに貢献していきたいと思います。
障がい者の方へのストレスチェックを開始するにあたり、今回のワークショップで得られた新たな気づきや視点を、今後のさらなるサービス拡充に活かしていきたいと思います。
利用者の立場になって考えて作られた知的障がい者の方へのストレスチェック「こころDo!?フレンドリィ」は、従来のストレスチェック「こころDo!?」に付随したサービスとなっております。
詳しくは、「こころDo!?」紹介ページを参照ください。
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